
2025年 建築業界の回顧と2026年への展望 〜「午(うま)年」に駆ける、AI共生と性能向上リフォームの新時代〜
2025年も残すところあとわずかとなりました。全国の工務店の皆様におかれましては、法改正への対応や現場管理、そして激動する市場環境への適応に奔走された一年だったこととお察しいたします。
本コラムでは、2025年の住宅業界を振り返るとともに、新築・リフォーム市場の最新動向、そしてAI導入による生産性向上の可能性について解説します。2026年の「丙午(ひのえうま)」、そして「午(うま)」年へと向かう業界の展望を、一足早くお届けします。
1. 2025年の衝撃:法改正がもたらした「産みの苦しみ」
2025年は、日本の住宅業界にとってまさに「歴史的な転換点」となりました。
■ 住宅着工の急減と4月改正の反動 今年4月に施行された改正建築基準法および建築物省エネ法は、現場に多大な影響を与えました。特に「4号特例の縮小」と「省エネ基準の適合義務化」は、設計・申請実務の負担を劇的に増加させました。 実際、改正直前の3月には駆け込み需要により着工戸数が前年同月比プラス39.6%と急増したものの、4月以降は一転して大幅な反動減に見舞われ、市場は冷え込みを見せました。
■ 審査期間の長期化という深刻な課題 法改正後、全国の審査機関では大きな混乱が生じました。従来は3〜7日程度で完了していた建築確認の審査期間が、9月末時点では平均約39日まで延びており、実に5倍以上の時間を要しています。この遅延は、工務店様の資金繰りや職人の手配、施主様の家賃負担増(二重払い)など、経営の根幹を揺るがす課題となっています。
2. 断熱性能の義務化と「AI」による生産性回復への光
新築需要が減りゆく中で、生き残りの鍵となったのは「断熱性能」の可視化と「テクノロジー」の活用です。
■ 断熱性能がもたらす経済的メリット 省エネ基準の適合が義務化されたことで、断熱性能はもはや「付加価値」ではなく、住宅の「最低限の品質」となりました。光熱費高騰が続く中、施主側の関心は非常に高く、等級5以上の確保は集客において不可欠です。高い断熱性は、住まう人の健康を守るだけでなく、生涯コスト(LCC)を抑えるという強力な経済的メリットを生んでいます。
■ AI導入で生産性はどこまで回復するか 審査の長期化という難題に対し、国土交通省は2025年11月から、AIを活用した建築確認の事前チェックシステムの提供を開始しました。 これにより、書類の形式不備をAIが自動判別し、申請前の差し戻しリスクを大幅に低減できるようになります。審査機関の業務が効率化されることで、現在は1ヶ月を超えている審査期間が徐々に適正な水準へと回復し、現場の「待ち時間」が解消されていくことが期待されています。
3. リフォーム需要の深化:水回りと「開口部」が市場を牽引
2026年にかけて、住宅市場の主役はますます「ストック活用(リフォーム)」へとシフトしていきます。
■ 性能向上リフォームの需要予測 リフォーム市場では、キッチンや浴室などの「水回り交換」が依然として約29%と高いシェアを維持しています。しかし、今注目すべきは「開口部(窓・ドア)」のリフォームです。 政府の補助金(先進的窓リノベ事業等)の継続もあり、内窓設置や玄関ドア交換の需要が急増しています。これらは、住まいの快適性を劇的に向上させるだけでなく、短工期で高い満足度を得られるため、工務店様にとっても収益性の高い提案項目となっています。 「10〜30万円」の小規模な改修から、100万円を超える大規模な性能向上リフォームまで、幅広いニーズをいかに取り込めるかが、今後の勝敗を分けるでしょう。
4. 結論:㈱HAMAYAと共に、2026年「午年」を飛躍の年に
2025年は、法改正による混乱の中で、業界全体が「量から質へ」と大きく舵を切った一年でした。2026年は「午(うま)年」です。この変化をチャンスと捉え、AIという新たな「馬力」を味方につけ、停滞を打破して突き進む時が来ています。
私たち株式会社HAMAYAは、地域に根ざし、変化の激しい時代だからこそ求められる「きめ細やかな提案」を追求してまいります。 そして、全国の工務店様に選ばれるパートナーであり続けるために、
「人間力」:誠実な対応と強固な信頼関係
「技術力」:法改正や即応する専門知識や良質な現場対応
「価格力」:市場競争力を支える戦略的なコストパフォーマンス これらをさらにブラッシュアップし、皆様の事業を全力でバックアップすることをお約束いたします。
新築需要の減少や法改正の荒波を乗り越え、どうぞ当社と共に「勝ち残り戦略」を力強く進めて参りましょう。
2025年も大変お世話になりました。ステークホルダーの皆さま、どうぞ良いお年をお迎えください。
ありがとうございました。


