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【注文住宅2025】建材流通からみた家づくり最前線

若葉が目に鮮やかな令和7年5月。心地よい風が吹き抜けるこの季節、住まいについて思いを巡らせる方もいらっしゃるのではないでしょうか。今回は、そんな穏やかな季節に、日本の注文住宅市場の「今」を深掘りしてみたいと思います。最新の着工件数から、心を惹かれるデザイン、そして日々の快適性を左右する開口部の機能性まで、建材流通業の目線から家づくりを検討中の方にとって気になる情報をコラム形式でお届けします。


住宅着工数は回復基調? 最新データから読み解く市場の動き


まず、気になる住宅の着工件数から見ていきましょう。国土交通省が発表した令和7年3月の新設住宅着工戸数は、なんと前年同月比39.1%増の8万9432戸。首都圏においても30.6%増と、市場は活況を取り戻しつつあるようです。
しかし、長期的な視点で見ると、人口減少や住宅余りの影響から、2040年度には新設住宅着工戸数は58万戸に減少するという予測も出ています 野村総合研究所。一方で、既存住宅の価値が見直され、リフォーム市場は底堅い動きを見せている点も見逃せません。また、建築費の高騰は依然として続いており、特に首都圏では平均3943万円と、家づくりを考える上で重要な要因となっています。


個性をまとう住まいへ 外観・デザインのトレンド


では、今、どんな家が求められているのでしょうか。キーワードは「自然体」と「自分らしさ」かもしれません。2025年のデザイントレンドランキングでは、平屋、ヌック(こもり感のある空間)、ランドリーが上位にランクインしており、機能性と心地よさを両立する住まいへの関心の高さが伺えます 。

ナチュラルデザイン

木や漆喰といった自然素材の温もりに包まれる家は、日々の疲れを癒し、心安らぐ空間を提供してくれます。

広がりのある間取り

 家族のコミュニケーションを重視した、開放的な間取りが人気です。吹き抜けやオープンキッチン、内外をつなぐウッドデッキなどは、暮らしに豊かさをもたらします。

環境への配慮

太陽光発電やZEH住宅など、地球に優しい住まいを選ぶ人が増えています。これは、これからの家づくりのスタンダードとなるでしょう。

シンプルなデザイン

洗練されたミニマムなデザインは、飽きがこず、長く愛せる住まいのとして支持されています。

アースカラー

 落ち着いたアースカラーを基調とした外観は、街並みにも調和し、住む人の心を穏やかにします。
外壁材では、異なる素材を組み合わせることで個性を演出するスタイルが注目されています。

快適性を追求する 開口部の進化


窓や玄関といった開口部は、住まいの印象だけでなく、快適性にも大きく影響します。最近のトレンドは、機能性の進化に目を向ける動きです。

断熱性能の向上

省エネ基準の改正を控え、断熱性能の高い窓や玄関ドアが必須となりつつあります。補助金制度を賢く利用するのもポイントです。

防音性の向上

都市部など騒音が気になる環境では、高気密・高断熱サッシで静かな室内空間を実現するニーズが高まっています。

木製サッシの再評価

デザイン性だけでなく、断熱性も向上した木製サッシが見直されています。自然素材ならではの温かみが魅力です。

スマート化

スマートロックや電動開閉窓など、テクノロジーを活用した開口部も登場し、利便性を高めています。

採光と通風の最適化

自然光を最大限に活用し、風通しの良い住まいを実現するための窓の配置や種類選びが重要視されています。
日本の樹脂サッシ普及率はまだ低いものの、その断熱性の高さから、今後の普及が期待されます。玄関ドアでは、防犯性はもちろん、宅配ボックス一体型など、ライフスタイルに合わせた機能的な製品が注目を集めています。

これからの家づくり 満足度を高めるために


注文住宅を選ぶ方の多くは、「自分好みの家にしたい」「間取りにこだわりたい」という明確な動機を持っています。そして、実際に8割以上の方がその住まいに満足しているというデータは、注文住宅の大きな魅力と言えるでしょう。
初めて家を建てる方の平均年齢は30代後半から40代前半。結婚や出産といったライフイベントを機に、理想の住まいを求める方が多いようです。満足度の高い家づくりを実現するためには、自身のライフスタイルや価値観をしっかりと見つめ、信頼できる住宅メーカーとじっくりと話し合うことが大切です。
スウェーデンハウスが長年にわたり顧客満足度調査で高い評価を得ているように、住む人の想いを大切にする家づくりが、これからの主流となるのではないでしょうか。

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